日本来器亭 店長・吉川真琴

吉川真琴とって「ラーメン」とは…彼を追う。

東京都墨田区朝2時に灯りをつける店がある。都内でも近年ラーメンベスト10に入っているラーメン店日本来器亭である。従業員は未だ6名…店長の吉川がラーメンの仕込みを行なう。以前までは働いていた副店長がいたそうなのだが、彼は仕事休憩中に自分の友人が経営するファンド会社の求人を見て、オフィスファークで働きたいという夢を追いかけるために転職をしたという。店の中で仕込みをする吉川は冬でも汗が流れている。耳のイヤホンから流れている「恋するボーンクッキー」が店の中に響く。吉川はこの瞬間が一番仕事をしていると実感できると語る。店が始まれば、毎日ラーメンを作り、流れ作業のようになってしまう。ここで、お客様が満足していただくようなスープを作っておくことが大事と彼は言う。朝6時吉川は築地市場へ出かける。もうすぐ月島へ移動となるこの築地市場で彼はラーメンに使う食材を買い集めるのである。食品を見る吉川の目が変わった瞬間だった…その瞬間「プロ」の目が食材を見極める。セリ師が声を上げセリを行なう。

その中で彼がセリ師に近づき手で何かの合図を送る。正に一瞬の出来事だった。その一瞬で彼はラーメンに使う食材を購入したのだ。